UX= ユーザー エクスペリエンス
「ユーザー体験」と一般的に言われてます。
ユーザーが得られる体験をまとめたりディレクションする人がUXデザイナーというものです。
デザイナーというと、WEBデザイナーやUIデザイナーと何が違うの・・?と思う方もいるかと思います。
比較的新しいポジションですので、UXデザイナーといった人がどのような仕事をしているか知らない人も多いと思います。
当然、会社によっても定義は違いますので、一概に「UXデザイナーの仕事はこれ!」と決めつけることは難しいかもしれません。
しかしながら実は専門職としてよく聞くようになったのであり、プロダクトデザインにおいてはUXの考え方はあって当然なのです。
UXデザイナーの仕事内容
肩書なんて「私、今日からUXデザイナーです」って言ったもの勝ちです。
会社によって求められるものが当然違います。
数人規模の制作会社になると、WEBデザイナーがディレクションからコーディングまで行う場合もあります。
ひとことで言えば、「誰のための何なのか?どうしてもらいたいのか?」を定義する仕事です。
一般的なデザイナーが見た目を重視しているところ、UXデザイナーは運営の目的とユーザーの目的を理解した上でどのような体験をさせたいのかを決めます。
最終ゴールに向けた通過点、スタートからの体験をスムーズにデザインすることが主な業務内容です。
UIデザイナーとは何が違うの?
UIデザイナーはUXデザイナーが体験を決めるのに対して、決まった体験をより快適に行動できるデザインを作ります。
UXデザイナー
UIデザイナー
UXデザイナーにとってインタビュー、もしくはユーザーが実際に使った感想は欠かせません。
なぜなら、モックアップやリリース後の改修で問題定義をしたときに、「誰が」「どの部分」を見つけなければいけないからです。
いかに主観ではなく、第三者の意見を汲み取れるかがUXです。
UXデザイナーの重要な部分の一つとして、ターゲットが実際に使った情報を得ることです。
ちょっとした指の動きや、滞在時間などを数値化することで何をすべきかが見えてくるのです。
UXデザイナーのスキル
- サービスの目的の理解
- 慈善事業でない限り「売上」が第一に来ると思います。
- 「売上」が発生する仕組みを理解している
- お金を払っている人が何に対しての対価で、どのようなスキームで支払っているのかを知る。
- ターゲット、ペルソナの設定
- 「誰が」を設定する。年齢や趣味、家族構成、日常のパターン、どんなことに興味があるのか?仕事内容など。より具体的な人物像を作り上げます。
- KPIの設定
- ゴールを明確に決めます。どの数値を改善するべきなのか?
仮に登録人数などであった場合は、登録数をCVとして、〇日間で●人の登録を達成することをKPIとして、そこまでのマイルストーンを明確にする必要があります。
- コミュニケーション能力
- 多くの人が関わるようなUX改善であった場合、運営者、開発者、制作者、場合によっては外部協力者などとコミュニケーションをとって進めなくてはいけません。ディレクション能力も必要となってきます。
- 解析能力
- 正確にゴールに向かうためにも、「現在を知る」といったことができなくてはなりません。また間違った数字を見ていた場合、最終目標の売上にたどり着けないこともあります。Google analytics での解析能力は必須です。
- UI知識
- UXデザイナーの仕事はいわば、ディレクターであったり、プロジェクトマネージャーであったりとサービスの全体を見る必要のある上流工程に位置付けられています。
ユーザー体験を設定した後、制作者や現場ディレクターに指示を出すことがあります。最低限のUIのイメージが無ければUIデザイナーは忘れてしまいます。
- SEOの理解
- SEOとは、サイトに訪れた人に対して正確な情報を届けることです。UXデザイナーとしての仕事の一環として取り入れている会社さんも多々あります。ソースレベルでの理解はなくとも、施策内容を知っておくことでスムーズに指示を出すことができます
- 最低限の作業スキル
- ワイヤーフレーム、またはラフなど、作業する人への落とし込みを表現できる「何か」がないと、スムーズにできません。深くなくとも浅く広く知識があるといいですね。
実録UXデザイナーの仕事内容
ある日、アパレルECサイトを運営する方から、売上に伸び悩んでおり、原因調査と改善をしてほしいと依頼がありました。
まずはサイト調査を行います。そのため以下アカウントを紐づけていただきました。
・Google analytics
・Google Search Console
アナリティクスを確認したところ、離脱率が高く93%以上が直帰をしていました。
これは、なんらかの方法でECサイトを見に来た人が、目的と違うものが表示されている為、すぐに離脱したと推測しました。
※あくまでも推測です。そこで、どこから来ているのか、広告先やバナーを確認することとなりました。
某ASPに出向をしていて、バナーを確認したところ、「有名ブランドが安い!」とバナーに書かれていました。
しかしながらバナーのリンクはトップページに飛ばしており、実際に安くお買い得の商品一覧のページはそこからさらにクリックが必要だったのです。
トップページからすぐにそのページを見つけることができなかったので、訪問者に対して「あれ?安いのどこ?」といったクエスチョンを与えてしまっていたのです。
具体的な改修内容
改修内容①
・ASPに出向しているリンク先を変更するようにしました。
改修内容②
・タイトルタグやメタタグの見直し
Google Search Consoleを使い現状のサイト調査
どのワードからの集客が一番多いか見たところ、ショップ名が断トツ多く、「知ってる人しか検索でたどり着けない」状態になっていたのです。
改修内容③
・意識の統一
運営者数名と話しをしたところ、売上という面ではゴールは一致していたのですが(当然ながら)ブランディングといった部分でイメージをできている人、できてない人、イメージが違う人とそれぞれの目指し方が異なっていました。各自がバラバラに動いてしまうと、時間も労力もかかります。まずは意識の統一が必要と感じ、面談やチームビルディングを行いました。
改修内容④
・多くの人に実際に購入までを体験してもらう
作ってるだけで結局のところ、使い勝手などは「作りながら」考えたものです。主観を捨てることをまずは始めました。作りながらですと、正解を前提に作っています。「ディレクターがワイヤー書いたんだからその通り作ってるんですが?何か?」的な意見もありましたが、であれば私はこう思うんです「だったら内製である必要がない」デザイン面、エンジニア面などそれぞれが、最高のものを目指してこそ、いいものができあがります。ただし、1人でも主観のみで携わった人がいたら成功はありません。
実際に使ってみたところ、「ボタン押しづらい」「どこにバナーあるの?」など作りながらでは見えてこなかった意見が多く出てきました。
また、実際にサービスに携わっていない人間に使ってみてもらい、改善案をまとめました。
結果として、離脱率は30%まで下がり、売上も2.5倍以上増えました。
UXデザイナーは調整から実行までを行わないといけないため、PMのような仕事に近いかもしれませんね。
会社によっては、広告担当やSEO担当と相談して進める場合もありますし、業務の幅が変わります。
上記、「改修内容④多くの人に実際に購入までを体験してもらう」これが最低限できなくてはいけません。
数的根拠と実体験を比べ一つのストーリーを作ります。そのストーリーの主人公を増やしていくことがUXデザイナーの仕事と言えるでしょう。